期間限定、四十年前の復刻「大館、花善鶏樽めし」

2015年3月25日水曜日 セントレンジ

「情報を喰う」などと申しますと、食べ物でなにをしておるのかとお叱りを受けるやもしれませんが、これは、その「駅弁」としても大変美味しかったのですが「情報」もとっても美味であったと、そういうおはなしを書いてみたくなったわけです。




今春、話題の上野東京ラインも開通して、東京へ出やすくなったもので、ひとつ、東京駅構内のエキナカを散策してみたわけです。
やはり、ターミナル駅である東京駅は、構内でも駅弁の販売が多く、そんな中を「本日の昼飯」を探して散策していたところ、タイトルの「鳥樽めし限定販売残り8日」に出くわしたわけです。

駅弁を、定食屋やレストランのメニューと比較した場合、「携帯性」「価格」「量産の容易さ」「etc、etc」等の観点でより多くの制限を受ける商品だと認識しております。

この「大館の鶏樽めし」は「復刻」「期間限定販売」を謳っているだけはあり、上記のうち「量産の容易さ」にやや目をつぶって、当時の構成を再現することに全力をかけたようです。

と申しますのも、添付されているお品書きには、商品の由来、昭和45年~51年くらいに活躍した生い立ちから、泣く泣く販売終了になるまでの流れ、それを復刻するための器である「樽(たる)」のサンプル調達。素材集め。(なんと生産が終了したお米や、具材のいそあげまで、関係各所と協力して取りそろえるストーリーがつらつらとまとめあげられているのです。

このストーリーを読みながら食べる鳥樽めしは、本来の駅弁に、まさに「情報」というソースを加えることで、さらなる領域に突入し、食べてる私も俄然盛り上がる、というなかなかに喰い応えのある駅弁でした。実際、中身も樽の奥まで詰まっているので、このあたりも採算性的に大変だったのではないかなあなどと勝手に盛り上がってしまうのですが。

本体である「駅弁」の構成についても触れさせていただきますと、「鶏めし」をベースに、「ホタテの甘辛煮」、今回のために復活してくれた「いそあげ」、「厚焼き玉子」、「シイタケの甘露煮」「栗の甘露煮」と盛りだくさん、箸休めとして「なら漬」「紅ショウガ」が付属します。



これに、先ほどのストーリー描写の素晴らしい「お品書き」が付属。なんと、付属物は「器」のみにあきたらず、御手拭、橋、容器を包む「掛紙」のデザインまで再現したという念の入用。

鶏樽めし全盛期である当時は私自身は生まれていないくらい昔なので、どれくらいの際限度なのかは、とんと判断がつかないのですが、これだけの情報があれば、食べている側も盛り上げてくれることは間違いなしです。
駅弁の要件には「旅をいかに盛り上げてくれるか?」というのは確実にあると思うんですよね。
私の場合は昼食だったので「昼休みをいかに盛り上げてくれるか?」だったわけですが。

最後に「期間限定」というのが残念ではありますが、これだけのストーリーを持った商品を量産体制に落とし込むのはなかなかに難儀なことと思えば、それも止む無しなのかもしれません。

花善鶏樽めし

  • お値段:1,100円(税込)
  • 期間限定販売:平成26年10月1日~平成27年3月31日まで
  • 購入店舗:東京駅構内日本レストランエンタープライズ東京弁当営業支店
  • 備考:東京駅は毎回迷うのであまりはっきりと場所がわからないのですが、当日の同店舗は「駅弁祭」フェア中のようでした。


このように「情報も美味しかった一品」とまとめさせていただきましてまた次回。